育てる
たろうはどんどん大きくなっている。
ウチには世話をやくべき子供たちがいないので、たろうはかっこうのおもちゃになっている。
おじいにもたろうをまかせる時がある。
どうやって時間を過ごしているかわからないけど、たろうがまとわりつくのがとても嬉しい様子だ。
ウチへ来た当初から足元にまとわりついてるので、おじいにもそうしているようだ。
ただ、最初にわたしのジーパンの裾をくわえてひっぱろうとした時には、随分きつく叱った。
セーターをかんだり、腕を噛んだり、とにかくこっちが痛かったり嫌だって感じる事は、その場その場でキッとした声でいちいち叱っている。
ダメ!とか、こらっていうと、すいません。怒られちゃいましたって風に、自分の寝場所で大人しくなる。やっちゃダメな事を覚えていっている。
思い出した。
子供たちが本当に小さい頃、やっぱりしたらダメな事を私一人で叱っていた。
おじいやまだ元気だった祖母は、まだ小さくてわからんでそんなに怒らんでもええ、とかいって、子供たち、初孫の内孫である娘は、ほんとに目の中に入れても痛くないようなかわいがりっぷりだった。
そんなのにまかせていたらとんでもなくわがままに育ってしまうんで、私はそれがいやでいやで、そんなに若くないけど新嫁ながら、随分抵抗したかわいげのない嫁になっていた。
なので、小さな娘の逃げ場はいつもおじいと義母の膝の中だった。
でも、私はそれで良かったと思っている。
小さいからわかなから何でも許しちゃっていいんじゃない。小さくてまだ知らないからいろんな事をしながらいい事と悪い事を覚えながら大きくなっていくんじゃん、わからないんじゃない、わかるから叱るんだよって、私は思っていた。私が母として子供を育てるんだもん。ちゃんと社会へ出て行けれる人になるように育てるのが親としての責任だと思っていたから(だったよな)。
で、おじいは今たろうが自分のズボンを噛みながらまとわりついてくるのが嬉しくて、
”ほんとに俺のズボンが好きでなぁ。”と、嬉しそうにあちこちに小さな穴を開けられたズボンを自慢する。
それはちょっと違うんじゃないか、ダメって言えばいいんだよって私は今言えない。
反論するのも面倒なのだ。
おじいとなにか会話をしたりすることから、逃げ出したい気分がずっと続いている。
夕食後にはぁっとため息が出ちゃったりね。
嫌な事を言うわけでもなく、ただもくもくと食べてるだけなんだけど、どうしてか今の私はおじいとあんまり一緒にいたくないんだな。
多分おやじの弟妹家族の中で、私だけ嫁をしなきゃいけないのがすっごく嫌な気持ちを隠さなきゃいけないからだと思う。
ま、同居の長男の嫁なんだから、今更こんな事言ってもね だな。
では気分を変えて、もうこのぬいぐるみみたいではなくなってるけど、先週のたろうの様子の動画。
くいっくたいむでしかみられないかもしれないし、読み込むまでに時間かかるけどとりあえずリクエストに応えて動画をあげてみました。
上手くみれるといいな。