繋がった

朝から思い出したように時折電話をしてみる。相変わらず混み合ってて繋がらない。
今日も無理かなとあきらめ気分でかけてみると、受話器の向こうから声が聞こえる。
あら?繋がってるのかしらと、”もしもし”言ってみれば、花王・・・ですっておじさんの声だ。
繋がるつもりじゃなかったんで慌てる。

ずっと対応しててすごくお疲れなんだけど、そんなそぶりは見せないように頑張ってますって声に聞こえる。
返品ですねって言われるので、そうです、使いかけを含めて8本ですって返事をする。

ご面倒をかけて申し訳ないけど、着払いで送って下さい。お時間を2週間ほど下さい。お買い物券をお送りします。なんてやりとりをする。

買い物券は花王の商品用ですか?なんて聞いたら、UCカードでと言われるが、半端はどうするんですか?なんて突っ込んでみる。

だってさ、商品券って1000円単位じゃない。すると1本1000円しないからさ、どうやって計算するのかなって気になってね。

売店の特売じゃない普通の値段で換算して、お客様の損になるようなことには絶対なりませんからとおっしゃる。

全然怒ってる風にしゃべってないよ。笑いながら軽い会話って感じで話したから、へんなクレーマーにはなってないと思う。

次から次から繋がる電話で、ずっっとずっっと申し訳ないって謝ってらっしゃるんだろうと、電話の切り際に、ご苦労様ですって言ったら、ありがとうございますって返事をされた。
相手に聞こえなくてもと思いながら言ったのだけど、なんだかほっとされたような声だった。


私たちが怒る相手は、今の電話口の人ではない。何年も前からこんな事になるのがわかってて発売を続けた責任者に対して怒りを向けるべきだ。
その相手は一般人からは遠すぎる。そんな事を代弁するのがマスコミの使命なんじゃないのか。

誰も彼も自分さえよければいいって、どうしてこんな世の中になっちゃったんだろうね、と夕方TVをつけたらやっていた再放送ドラマの中の台詞。

そうそう。ほんとにそう。あのゆとりって絶対間違ってるよって思ってたのと繋がるんだけど、今夜はここのへんで。


もひとつ、そうそう。
送り先の住所に”花”の字があるのね。その説明をするのに、「弊社花王の”花”ですね。」って。
もう、なんというか、今それは逆効果だよって思いながら、その人のけなげさにあたまが下がる思いがしたのね。
ここにもあるようにこうやって売り続けろと判断を下した人に、今回の電話対応をさせるべきだと思う。やんないだろうけど。

電話口の人も、そうやって得た利益でお給料もらってるんだからといえばそうなんだけど、今の与党のイケイケぶりをみてても、なんか日本の未来って明るくないかもって思えちゃう。

自由って実は周りがすっごく不自由 ってことかいなと、近所の人的騒音を聞きながら思う。