新米植木屋

暗黙の了解で、ウチの庭の玄関を出て右側半分がおじい、左半分が私の担当みたいなことになっている。
担当と言っても雑草の掃除なだけで、庭木に関しては全部おじいの担当になっている。

この春におじいが庭木の下にぼうぼうぼうぼうと繁殖した、たまりゅう(なのかなこれ)をきれいさっぱり根っこも堀繰り返して抜いてしまった。
その時に、毎年そろそろ春が近いねと教えてくれる福寿草も全部抜いてしまったので、なんでそんなことするや!!って、嫁が怒ったこともあった。
寒くて暗い冬から啓蟄を過ぎる頃か、そのたまりゅうの間からいつの間にか黄色いつぼみが出て、暖かい昼間に花を広げ夕方には閉じを繰り返して、また来年の春ねっていうように花が終わると葉が茂るのを見るのが、嬉しくてまたいいことありそうな幸せな気持ちになるのを、毎年とても楽しんでいたのに。
それはおやじも同様だったらしく二人でえらくがっくりしてたんだよ。

その時にあちこちの園芸コーナーを訪ねたりぐったりしたけど、花が終わってしまった後は市場にはひとつも出回らないのを知った。そりゃ当たり前だろう。調べてみたら、そんな時期には植え替えもよくないって事らしい。なので、福寿草に関しては、今年の年末を待つことにしたんだ。

そんなこんなで、おじい面と私面ではさっぱり具合が大違いで、そろそろ手を入れないといよいよまずいぞって事で、雨上がりの今日の午後から意を決して草取り&のびのびの枝を切ってしまえと、長袖長ズボンin靴下、帽子首巻きタオルに軍手装着で、まるっこくなったお腹に閉口しながら庭仕事をしてた。

畑から戻ってきたおじいが、庭で丸っこくなってる私に、
”庭師がきとられるなぁ。そろそろ3時やでお茶でも出さないかんが、ビールがええかおさけがええか?”声をかけてきた。

おじいが植えた庭木も(えらいこと毛虫が付いてたり、かりんの赤星病知ってた?の寄生主)、結構ばっさりすかすかに切ってしまってたんで、後ろめたい気持ちも有るところへ、声をかけられたんで、素直に返事をしていいもんか躊躇してしまった。
”おらあ、螺子(らし)や、やでなぁ(ねじねじひねくれもんって意味ね。)”って、自分でいうおじいだもん。警戒してしまうのは仕方なかろう。

ま、ビールもお酒も出してはもらえなかったが、ここんとこ一言も話さない夕食時に、二言くらい畑の様子の会話をした。
お互いにさぐりさぐり会話をするので弾んだ会話にはならないが、まこれからもこんなもんでやってくんでしょうな、お互い元気なうちは。

新米植木屋は慣れないことをしたので、もうぐったりです。

なんだかとってもきれいなきむらさんを見られてちと嬉しいです。そんな夜です。




そだそだ。夕べ調べてみたらもうあのホテルは満室なのね。なんで娘一人ならエクストラを入れてもらえるか聞いてみて、息子も一緒なら別宿でもありかな?とか一人で勝手に思ってるんですけど。
ダムへみんなで一緒に行けたらいいなぁってね。