印をつけてもらいました

月に一度はお参りにいってるおちょぼさんにいつもの三人で向かっていた。おやじとおやじのおばさんと私の三人だ。
高速を走りながらおばさんにおやじが、今年の夏休みに二人でくろよんだむを見に行くことにしたんだよってって報告したら、じゃ善光寺にも行ってこれば?なんて会話をしながら、
”祖父江にある善光寺も一緒だから、おちょぼさんの後に行こう。そこへ行くのも長野の善光寺に行くのも同じ事だから。”って言うんで行ってきた。

ご開帳中ということで、なんだか境内に特別感が溢れている。でも、私にはなにが特別なのかちっとも分からずに本殿にあがる。
善光寺と言えば、かいだんめぐり。詳しく知らないけど、真っ暗な中を歩くって事くらいは知っている。
一人300円というので、今月は無駄遣いは禁物!!ッておやじが尻ごんでいるのを、おばさんが”私が出すで行こう”とお金を出してくれた。そこへ降りるところで係のおじさんが、”鍵がさわれるようになってるから、それをさわっておいでね”とおっしゃるが、鍵って何?な私。

お城の天守閣にあるような急で小さな階段を降り、真っ暗な中手すりと横の壁だけを頼りに先へ進む。
一番最初を歩いてるおやじは、漆黒の闇の中が怖くてもう帰りたいよーって泣き言を言う。

真っ暗の恐怖の中でも先に進むしかないんだよ。その先にはきっといいことがあるからねって事なのかと後から思ったけど、なにしろ初めての場所。どこまでこの暗闇が続くのかが分からない恐怖でいっぱいだったおやじ。私は最後を歩いていたので、怖いとは思わなかった。
時間にすれば5分有るかどうかのその先に現れた物は、ああ有り難やって思わず声が出てしまう極楽もよう。その前にある錠前をなでなでして現世に戻ってきた。

戒壇に入る前にご朱印を頂いたところで、”最後に・・・・をうけられるからね”って言われたのが、はっきり聞こえなかったけど、順路としては一番最後のところでそこの前に来た。
で、受けたのが”柳之牛王”の小さなお札。それを戴いたら、そこの神輿みたいなのの上で座ってらっしゃるお坊さんがなにやら取り出して、
”・・・・を授けます”っておっしゃりながら額の上の方をぽんぽんとしてくださった。

わけも分からずありがたい気分になって家へ戻ってからぐってみた。
どうやら私は極楽浄土へいけれる印を付けていただいたのだ。これのこと。

おばさんはご開帳中なので行ってみたかったけど、連れてってもらう立場だから言い出しにくくてどうしようかと思ってた。でも、行けてほんとによかったと嬉しそうだった。
”○さんはきっと面白がるだろうから”って。
”うん。おばさんのおかげだよ。ありがとう。”って。


実は今年が銀婚式だったのに、来年だと勘違いしてて、来年はちょっとお金を貯めて旅行に行くつもりだったのにそれが出来ないから、夏に行こうと思って、どこがいいかって聞いたら、黒部ダムへ行きたいってこいつが言うから(もちろん親方の影響)、そこへ行くことにしたんだけど、おばさん、行った事ある?って、おやじが口火を切ったことがきっかけになった。

営業上はもう少し生徒が集まってくれないと苦しいなとお悩み中のおやじ。そんな時に私が引くおみくじが『大吉』。

25年も夫婦なんだ 割れ鍋に綴じ蓋だよ この世では ってとこかな。



でさ、お寺のちらし(でいいのか?)を車に戻ってから開いたらさ”低料金葬儀のご案内”ってのも入ってるのさ。
ちょっと、ぎょってしたけどよく読んでみると、ここで頼んじゃおうかしらって惹かれる文字を発見。
このような方におすすめしますってとこ。

この後は、
ちらしには、生前予約受付中
特にこのような方に・・・
・お墓は特に必要ないとお考えの方
・お子様や跡継ぎがなく先々が不安な方
・お子様に墓地管理などの負担をかけたくない方
  ↑これ思うんだよねぇ
・無縁仏にならない安心なよりどころをお求めの方
・実家のお墓には入りたくないとお考えの方
  ↑嫁ぎ先だけどこれが一番
・独身の方
・お墓があっても将来が不安な方
・現在お骨をお持ちの方
って書いてある。
私が死んだ後はここへ入れるようにしておこうかしらってね、ちょっと思った。

お墓へ入ってからまた義母とおやじの中へはまるのはまっぴらごめんって、やっぱり私も嫁だわねー。
そんな思いがあるからねここへ文字で遺しておこうと思ってさ。

いいんだよ 私の行くさきゃ 極楽浄土だもん    えへっ。