よくやってきました

なんと、今日から結婚生活25年目に入る。
つまりは、銀婚式というわけだ。
今朝寝起きに布団の中で、”たしか昭和59年に式を挙げたんだから、それに25を足せば昭和の年数が出るんだよなぁ。で、足したらいくつになるんだっけ。”
”あれ、じゃ西暦だと何年になるんだ?”
”ああ、くりあがりがめんどくさい。でもたぶん25周年だよなぁ。どうかなあ。おやじは来春っていってたし。ま、どっちでもいいや。”と、まだ全然起きない頭で考えていた。

一応結婚記念日なので、結婚記念日ランチを食べに行くことにした。
そこで、おやじはもっかい計算をしてみて、あれ?と気づく。
”今年が銀婚式じゃん!”
そうだよ、私はうすうす気づいてたよ。娘が満23歳なんだから、それに2年足せば私たちの結婚生活の年数になるはずだからさ。

ということで、自分のうかつさに軽いショックを覚えたおやじ。
実は、来年が25周年だから、ちょっと遠出の旅行をしよう、そのために今から少しずつお金を貯めておこうってつもりだったのが、大間抜けなことになってしまったという。

義母と義父が銀婚式の時は、おやじと義妹で計画をして(当時付き合ってた私が旅行社に行ったりして)、まだ小学生だった義弟と3人で九州旅行に行ってもらったから、自分たちもどこかへ行きたいっておやじは思ってたわけで。

なかなか思い通りに塾生が集まらない状況の中、なんとしても今年中に銀婚式旅行を決行しなくちゃっておやじは計画変更を余儀なくされたわけで。
私は、どっちでもいいんだけど。だいたい二人して酔っぱらって、なにがなんだかになるだろうってのは想像に難くないし、だいたいもう何年も夫婦別寝なのだから、お互いのいびきでお互いの眠りを邪魔するってのも勘弁して欲しいし。

ま、どうなるかわかんないけど、よくここで25年やってきましたってことで。

今日は当たり前に塾があるので、もちろん送迎もある日なわけで、よし、これで家へ着いたら、娘が去年の誕生日と母の日のお祝いをかねて贈ってくれたお酒をのんで、一人で祝うぞって、帰路を急いでハンドルを握っていた。

もう少しで家ってT字路で、少し前を走っていた車が過ぎた後で、ライトの先に何か白い紙のようなものがひらひら舞っているように見えた。
ああ、また何かゴミでも捨てたのかと、ゆっくり近づいたライトの先に見えたものは、そこでものすごいスピードでよろけながら旋回している三毛猫だった。

なにがどうしてそんなことになっているのか分からないので、とにかく車を止めた。
猫は飛ぶように何度も何度も円を描くように回りながら、道路を渡りたいようにしているようだった。

それをどのくらいの時間みていたのだろう。実際計ってみれば、数十秒だったかも知れないだろうけど、ずいぶん長い時間だったように感じた。
ああ、前の車が猫とぶつかったんだと、気づくまでに随分時間がかかってしまったように思う。

私がそれに気づくのにかかる時間と同じくらいで、猫は道路を渡りきっていった。

その場で動けないような致命傷を負ったわけではないし、道路を渡りきった後はもう路地へ入り込んでしまったし、なにもない道路の真ん中でいつまでも車を止めているわけにもいかないので、
”どうか、頭を軽く打った程度でありますように。どこかで体を休めたら元気になっていますように。”と、祈りながら家へ帰ってきた。

それだけではない。今夜は義妹の姑のお通夜でもあったわけで。


いろんなことがある それでも生きている いろいろ笑っていろいろ泣いて それでいつか灰になる だな。