贅沢な時間

久しぶりに娘と昼食に出かける。
二人とも昼くらいまでぐだぐだ寝てから、さてどこへ行こうとごそごそと動き出す。
本当は娘が予約をしておくはずだったのに、急遽最終面接で上京することになって、ばたばたと出かけていって予約し忘れたというんで、お店検索をし始めた。
なんだかぱっとしないんで、予約し忘れたお店にダメ元で電話をしてみる。
まだ布団の中でぐずぐずしてる娘の支度が完了するであろう1時間後で、予約できた。ここ。

ちゃりちゃりこのお店の前を通る度に気になっていたんだという。なにが気になるって、玄関へ続く門の前に、袴姿の若者が掃除をしたり、門番さんのようにぴんと立ち続けてることだって。
予約電話でお昼なのにお値段がとってもいいのでちょっとびびったけど、気軽に京都へ来られるのももう何回あるかわからないから、えいやっと覚悟を決めた。

支度が遅くなった娘にイライラしながらお店に向かっていたら、約束の時間を過ぎていたんでお店から電話が入る。すみません、すみませんといいながら、なんと表現したらいいんだろうか、くりくりに頭を丸めた丁稚どんのような雰囲気の袴のお兄さんが中へ案内してくれる。
扉の中にはきちんと正座した別のお兄さん。お部屋へ案内されると、ふすまの先に几帳(だっけか)があり、窓の外は糺の森がまるで庭のように目の前にある。
ほどよい湿気のお天気だったので余計に雰囲気がいい。荘厳とか静謐とかそんな言葉が浮かぶ雰囲気。

女将さんの挨拶を受け、料理が次々と出てくる。
どれもこれもため息がでてしまうくらい、きれいで美味しい。
生まれて初めて大間のまぐろの大トロ(7mm角くらい)も頂いた。
今までで一番美味しいと思えたお料理だった。
ものすごーーーーーく贅沢なお料理をいただきながら、贅沢な時間を過ごした。

こんな食事なら一日一食でもいい(娘の賛同は得られなかったけど)。


今日になっても昨日の贅沢な時間を思い出して、お店をぐってみたら、なんと昼も夜も3組しか受けないお店だというじゃない(ご縁がある時はこうやってすこんとはまるんだよね)。今頃驚いて、いろいろ納得した。
確かに払った金額は高いけど、それ以上の満足を得られたと思う。


と、昨日の贅沢な時間を思い出しながら、すますまを見てた。
剛のことはまた改めて。