farewell

3年間ずっと月曜の夕方一時間を一緒に過ごしてきたお子と、今日はお別れの日。
最後の時間は思ったように過ごせなかったけど、伝えたいことは伝えたはず。きちんと伝わったどうかはすぐに分からないし、もしかして全然伝わってなかったってこともあるかも知れないけど、限られた時間で精一杯はやったつもり。
私の英語教室は小6までなのだから、今日で卒業ねとお別れをした。
付き合いが長かった分、寂しい気持ちも湧いて、つい途中で声が詰まりかけてしまった。
いかんがね、いかん、いかんと気を取り直して平常心を装った。
お別れの挨拶をして、私の言葉が新しい生活の糧にすこしでもなってくれたらと、そんな思いで二人の背中を見送った。farewell.



昨日したさようなら。
朝から夕方までバイトに出かけるから、と言う息子に、
せっかく一人の時間だから、なにも気にせずだらだらと部屋で過ごそうかなって返事をした。
何言ってんの。せっかく東京へ来たんだし楽しんできてよっていう息子の言葉に押されて、強風の中お昼過ぎに息子の部屋を出た。
部屋を出る時は降っていなかったが絶対に雨が降るという予報もあったし、コンビニでビニール傘を買って駅に向かった。

出かける前に”新宿 遊ぶ”のキーワードで見つけた花園神社へ行く。
その後は、京王百貨店で何かおいしいお土産を探すつもりだった。なんで京王百貨店かってぇと息子の受験の時に京王新線を利用してね、その時に立ち寄った食品売り場が私の好みに合ってる気がしたから。
そんなつもりだったのに、神社でなんでも望みがかなうよって大吉のおみくじを引いて、すっごいいい気分で歩いている内に、息子のバイトが終わる予定までまだ2時間くらいあるから、すますて新聞をもらいにテレ朝へいこうって気になった。

六本木の駅からテレ朝まで、降り出した雨ととんでもなくびゅーびゅーと吹く風と闘いながら歩いていった。途中でどうやら→を見落として、結局テレビ局をぐるっと後ろから回ってしまうことになったのが運のツキ。もう風がひどいのひどくないのって、とても傘をさせる状況ではないところで風の向きを読み切れずに、傘がただのビニールとぐにゃぐにゃやら好き勝手な方向に放射してる金属の物体になってしまった。
それを無理矢理に握りしめて玄関へ入り受付のおねえさんに新聞が欲しいんですと告げると、にっこり笑って(私の髪もとんでもない事になっていたと思われ)
「本日の配布分は終了しました。」とおっしゃる。
あああああああ。
ホントは、”傘もこんなになる中ここまで歩いてきたからなんとかなんないの?”って言いたかったけど、そんなこと言うだけ無駄ってわかりきってるから、大人しくそのままテレ朝を出た。
もうただのゴミになってしまった傘を持って歩くのも腹立たしい。
周りを見渡してもゴミ箱が見つからない。トイレにこっそり置いてきてしまおうと、トイレに入ったらちょうどお掃除のおばさんが出てくるところへはち合わせた。
このまま黙って置いてきてしまうのは、お掃除をしたばかりのおばさんにものすごく申し訳ないことだと、少し躊躇しながら声をかけた。
「すいません。この傘捨てていただけますか?」
「まだ新しそうなのに。」
「そうなんです。買ったばかりだけど、今外で風でこんなになっちゃって。」
「ああ。風ね。捨てておいてあげるわ。」

よかった。声をかけて。そいで傘ときれいにお別れすることが出来た。
六本木ヒルズはこれで3回目かな。でももうきっと二度といかない気がする。なんか嫌いだ、あそこ。

大吉のいい気分が台無し。結局二時間ほどがただただ移動しただけの無駄な時間になってしまった。

部屋へ戻ると息子がもうバイト先から帰っていた。なんと3時頃には終わっていたのだと。
その時連絡くれれば、ただ歩き疲れたテレ朝行きにはならず、部屋に戻っていたのに。
ぐったりとした私と、あまり寝ないで昼のバイトに出かけた息子は小一時間寝ることにした。

その後の楽しかったことはまた明日にでも。舞台のことも明日以降に。って誰にいいわけ?