東京は別世界。

おととい昨日と東京にいて、東京は、私達が昔考えていた、その時代の延長としての未来とはまったく違った世界なんだな、と思いました。まさに浮遊感。まさにLost in translation.私は東京に対して違和感を持つ人間であり、それは拒まれた存在になるしかないのでしょうか。
私達の想像する未来は永遠に漸近線であり、本物の現実の未来はそこを一足飛びに越えてしまう。人間の想像力はかくも偉大で愚かです。

さて、信じられないような座席でごろさんを鑑賞(本当に鑑賞という感じ)してきた次の日、字ぶり美術館でとなりのトトロのスピンオフ作品『めいとこねこバス』を見てきました。
概略としては、ある風の強い日、メイはちっさい猫バスに出会います。で、仲良くなるんですが、ある夜(同じ日なのかどうかはわからない)こねこバスがメイを乗せて夜のドライブに連れ出します。
そこにはいろんな形のねこバス集まってきていてそこにはぎっしりのトトロっぽい乗客がすし詰め状態で乗っています。みんな同じとこに集まってきてあるねこバスにのりこむですが・・・。
この時点で14分の作品中10分くらいで、このあと壮絶なオチがあるわけでも何も無いのですが、ある重大な秘密が隠されていました。
私はこの作品を見てひどく衝撃を受けました。トトロへの甘い幻想が打ち砕けました。何に衝撃を受けたって、この作品をわざわざトトロっていう土俵の上につくったって言うことです。子供達が大好きなトトロで、わかりにくくわかりやすくねこバスとトトロの正体を書いてしまっているということです。
こわいです、宮崎駿。隠しておけばいいトトロの裏設定をわざわざ書いちゃったことに恐怖を覚えます。大人気ないというかなんと言うか。伝えたいんだからいいじゃない、見たいな。
みんな泣いちゃった、とか言ってたんですが、ありゃこわいもんね、しょうがないです。ショックから立ち直るまで時間がかかってしまいました。
ということで、めいとこねこバス、いろんな意味でお勧めです。
あと、チケットを忘れてしまったのに入れてくれた受付の人、ありがとうございました。ネット社会バンザイ、です。