仲良きかな

先日の東京からの帰路の新幹線の中で、どうにも気になって見てしまう二人がいた。
通路を隔てた隣の2つ席に並んで座っている年の頃は30代後半な感じの男の人たち。背広姿ではなくラフな服装なので出張帰りではないように見える。出発までの間に前のテーブルを倒し、ビールを空け、おつまみパックをそれぞれ自分の前に広げた。
その後が面白いのだ。一人が唐揚げ、もう一人が違う品なのを、それぞれのパックに半分こずつ同じ品物になるように分けっこをして、談笑を始めた。
缶ビールを空けると、先輩ふうの人は車内販売を待てないようだったらしく、胸に缶チューハイを大事そうに抱いて帰ってきて、隣の席の人に渡していた。
その頃にはさっきのおつまみは空になっているので、先輩ふうの人がかさかさとコンビニ袋からおつまみを出して、それをからパックの中に、さっきまでと同じように半分こずつ分けていた。
それを口に運びながら、飲んで食べて飲んで食べて、それはそれは穏やかに楽しそうにとぎれることのない会話をしていた。
私がかっくり寝てしまってる間もそれはずっと同じように続いていたらしく、そこの時間はずっと同じように流れているようだった。
その先輩ふうの人が、とても強く勧めるおつまみがあった。
「これ、美味しいんだよ。」
「いえ、もう・・いいです。」
「いや、美味しいから。(強引でもないけど、とにかく食べさせたくて隣の人のパックにやっぱり半分こを袋からざざっと入れていた)」
「あ、ほんと美味しいですね。」
「そうだろ(ご満悦)。でも、これ○ー○ンにしか売ってないんだよ。」


私は、それからずっとそれが気になっていた。一体どれだけ美味しいんだろう。止められない止まらないってどんどん食べてしまうくらい美味しいって。
今日○ー○ンへ行って見つけた。借り物だけどこれ
食べてみた。んーー。どうでしょう。これなら私の揚げたれんこんの天ぷらの方が美味しい気がする(息子はそれとこれとは全く別物だよ、と言う)。


あの二人が美味しくってたまらないふうだったのは、きっと二人の仲がとてもよさそうだったからじゃないかって思える。仲良さそうっていっても、げいとかそれとは全く違う、学生の時からのつきあいがずっと続いてるいい関係のようだった。

じっと見ていたわけではなく、つい視界の中に入ってしまうのだったけれど、息子も私もちょっと楽しい気分のお裾分けをもらったみたいだった。

楽しく 嬉しく 機嫌良く そんな風に暮らして行けたらいいなぁ。