どうすればいい?

「彼らの死は無意味にしちゃいけない。それではあまりにもかわいそうだ。でも、それでは、意味があったかというとそれは難しい問題だね。」

NHKスペシャル「硫黄島玉砕戦〜生還者61年目の証言〜」をみた。再放送だったらしい。
硫黄島のことを国が捨石と決めた後そのことを知らず戦い続け、指揮官が玉砕した後も地下に張り巡らされた壕で暗黒の中極限の飢えと渇きと絶望に耐えた元日本兵の言葉は重いなんてもんじゃなくてブラックホールの様にそれ自身が限りない重さを持ってすべてを吸い込んでいく。
画面を通して伝わってくる凄惨極める戦況と語り手の消すことの出来ない苦しみに身体が凍りつく。どうすればいい?どうすればいい?
涙がほほを伝って足の窪にたまる。口が開いたままとじれない。どうすればいい?どうすればいい?
食料がなくて燃えカスの炭を食べたと、飲み水を求めて殺し合いが起こったと語る。
「耐久実験だ。これは人間がどこまで耐えられるかを調べる実験だ。」そういって左手左足を負傷した身体を横たえながら考えたという。
「人間じゃなくなっていた」と語り手たちが言っていた。人間なら死ぬときに末期の水でもあげられる、かわいそうだと思える、でもそれよりも先に何か持っていないか、水を持っていないかと考えてしまう、でも、もうそれは人間じゃないよ、獣だよ、と言っていた。言葉通りのことは頭ではわかる。確かにそうでしょうね、とも言ってしまえるけれど、その状況を想像はできない。ぼんやりと浮かぶけれどよくは分からない。

戦争は難しい。体験しないと分からないことがいっぱいある。ありすぎる。じゃあどうしたらいいんだろう?
答えは行動。

戦争物だからって重そうな文章にするのいやだったんですけどどうしてこうなっちゃうんだろうなあ。うーむ。