巡り合わせ

甲子園の高校野球をみていると自分が一番高校野球に熱くなっていた高校生の気分に戻ってしまう。だが、ふと気づいてみればさいとうくんもたなかくんも家の息子と同じ年なのだ。
野球は9人でやるものだし、どのポジションが偉いとかはないと思うけど、だけど、やっぱり試合の中に占めるバッテリーの重責というのは大変なものだと思う。
決勝、再試合両バッテリーのつながりの強さはとても凄かった。自分の投げた球を絶対とめて後ろへそらさないと信じている気持ちの強さが、見ているこちらへもびんびん伝わってくる。だから、もの凄く引きつけられておもしろい試合だった。
ゲーム運び以上に私が感心したのは(試合中にも思ったことだけど)、さいとうくんがたなかくんを三振に打ちとってガッツポーズをした後、すぐに野手の方を向いて両手を広げチーム全員が集まってくるのを待ったことだ。
今まで私が見てきた試合では、まずバッテリーが抱き合い、その後に野手が集まってくるというふうだった。ピッチャーが振り返ったのを見たのは初めてな気がする(ま、ここ30年近く真剣に高校野球を見ていなかったからその間にはあったかもしれないけど)。
ああ、やっぱりこの子はチーム全員を心から信じていたんだと、それが私には嬉しかった。だから泣けたし、さいとうくんもアルプススタンドへ向かう時にはきっと泣いてしまうだろうと思った。
言葉ではどう言ったらいいのか分からないけど、自分はプレーなんかしないし、ただテレビの前で見てるだけなんだけど、目が離せなくなって、甲子園の試合に引き込まれて選手と気持ちが同調してしまう、だから私は高校野球が大好きだったんだ。
と、今夜のNHKの放送を見てもっかい泣いてしまった。心が動かされたんだろうなぁ。あの再試合は巡り合わせなんだろうな。



が、番組を見ていてこんな事言うのも変だけど、まだ試合のスケジュールが詰まってる選手たちをどうかそっとしておいてくれないだろうか。過熱報道もいい加減にしてくれ、と言いたい。

息子と同じ年の子たちとは思えないくらい大人びた受け答えをしているが、そこはそれやっぱり17.8の男子高校生なんだから。あまりにも過激な環境の変化は気の毒だ。

さだおかくんもあらきくんも言ってるじゃないか。どうかそっとしておいて下さいって。
おうさんも、休んでくださいってメッセージを出してたじゃないか。