メモ。

最近見た映画。
ミツバチのささやき [DVD]ミツバチのささやきヴィクトル・エリセ監督 スペイン
スペインの片田舎での少女の心の動き。それをまるですべてのシーンを心をこめて撮った写真のようなどこまでも美しい映像で精緻に描き出していく約100分の作品。
決して激しい話の起伏も壮大なストーリィもあるわけではないですが、静かに話は進行して行き、最後には息が詰まるような悲しい出来事が起こってしまいます。そこにいたるまでの少女の小さな冒険、それは今までのおとなしく快活な姉(もしくは妹)の後ろについていただけの少女が始めての反抗でもありました。それは反抗から始まる冒険にありがちな苦しいものです。しかし誰もが経験する何かに対する反抗はつらいものだけれどやらなければいけないこと、大人になるための通過儀礼です。それを越えたときどうなるかはこの作品では示されていませんが、それは自分を振り返る機会を与えてくれているのかもしれません。
この監督は撮るものすべてが美しい作品に仕上がっている稀有な監督ですが、作品制作が10年に一度という寡作さなので作品は多くありません。が、多分どれもお勧めのはずです。
以前紹介した『エル・スール』もこの監督の作品です。
両作とも眠くなること必至ですが、一見の価値あり。