家の猫とそっくりな猫が車にひかれて道路に横たわっていた。昨夜、息子は帰宅途中に車の中からそれを見つけたけれど、自分ちの車ではないのでとりあえず帰宅をした。その後、どうしてもどうしても気になるし、家の猫が帰ってきていないので、心配で仕方ないらしく、真っ暗な夜道を1人でその猫を確かめにいったらしい。
後から私もおやじと懐中電灯をもって見に行ったのだが、本当にとらとそっくり、うり二つなので、ものすごく近づいてまじまじと見つめる。目がぱっちりしていて、これはとら?と不安が胸に拡がるが、耳の端が切れていなくてきれいな形をしてるその猫は、とらと違うと確信して、成仏してねと声をかけ家へ戻った。
道の真ん中で横たわっていたその猫を抱き上げ路肩に寄せたのは息子がした事なのだそうだ。ねずみの死体もちゃんと見られない息子なのに、よくもまあ触る事が出来たものだと感心する。
私もとらにそっくりでなかったら、夜の10時過ぎにそんなまじまじと見られなかっただろう。息子もきっと必死だったのだ。
今朝どんな気持ちだったのか確かめたら、やはり必死の思いだったそうだ。
とらは昨夜は戻ってこなかったけど、私たちの心配などどこ吹く風といった体で今朝戻ってきたら、何時も通りごはんくれー、さむいよー、とストーブの前でちんまり座った。車には気をつけるんだよと、くどいくらいとらに話かけておいた。