失礼な話で

ずっと行きつけにしていた本屋さんが閉店してしまってから、おやじと二人で本屋さんでふらふら歩き回るって事がめっきり少なくなった。

最近はたまに大きな本屋さんに入って本棚を見て歩いても、読んでみたいなと手に取ることがないのがつまらない。
文庫本サイズなどは老眼鏡をかけなければ読みづらいってこともあって、めがねをかけなくてもかろうじて読める定期的に届けられるコミックと新聞、すま関係の雑誌以外はなかなか本を読まなくなってしまっている(どーんは読み終わったよ。久しぶりにまあまあ楽しめた小説だった)。

今日はおやじがいつも配達を頼んでいる本屋さんに行くという。
おやじが行くって言えば、午前中はいつも行動を共にしているのが生活パターンな私たちなので、もちろん私も本屋さんへ行くって事になる。
そこは私が子供の頃から変わらずにある本屋さんで、今はなき昭和のたたずまいのままの陳列棚と、それがちょうど治まるこぢんまりとした店内。よくぞ今の世に残っててくれてるわねって雰囲気を持っている。

おやじが図書カードを頼んでいる間に、棚を見回していた私が目を離せなくなったものがこれ。
ほしいなぁ・・・でもなあ、細かくて地道な作業は、私には絶対無理だしなぁ、でもやってみたいなぁ、欲しいなぁって、ずっっと見てたら、おやじも側へ寄ってきて手に取ってみる。
6000円かぁ・・といいながら、棚へもどして、お、困った手が離れんとか言ってる。

よし、一言言えば買うぞきっと。またおやじのブログネタになるのは癪に障るが、ま気にしなきゃいい事にする。

で、欲しいなあ、私。という。

あは、いっちょあがり。お店の人も、”毎度ありがとうございます!”って、お元気なお返事。

家まで待ちきれずに帰りの車の中でハコを開けてみると、案の定紙テープの幅が数ミリって、こりゃやっぱり私には無理難題な代物だ。
といってまたまた塾へ持ち込まれてしまって私には楽しめないかもと思うと、それもちと悔しい。

家へ戻ってきて、おやじもハコの中身を確かめる。
さっき私の見たテープを見てるんで、
”それでもう私ではダメでしょう”
”ほりゃむりだわ。で、何時間かかるんやろうなぁ”
”だったらわたしがやってみるでええわ”

(一気に語気が強くなり)”ほんなもん止めとけ!!6000円どぶにすてるようなもんや!”
不器用とかいう話じゃない。性格的に無理だという。


まぁ、失礼極まりない話じゃないか。

だが先日私がやりたいことをやらせてくれんおやじの話を聞いてもらった娘も、今回ばかりはおやじの意見に賛成することだろう。

なんにしても失礼な話だ が反論などこれっぽっちも出来ないのが情けない ぐぅ。