案外落ち着いてる

夕べ、おやじが弁慶にご飯をあげにいったら、小屋から出てこられず、どうやら立ち上がることもできないって、いよいよその時かって驚いて走って家へ戻ってきた。
もう夜も遅いし、何もできないだろうから朝まで様子を見るしかないじゃんということで、今朝。

とても気になっていたのか、いつもなら絶対に起き出さない7時には起きて弁慶の様子をうかがってきたら、やっぱり動けないでじっとしているが、生きてはいるというので、私も弁慶のところへ行った。

外から見ただけでは何がどうなってるのか全く様子がわからないし、側へよると警戒心ばりばりで唸ってしまう。
これでは病院へも連れて行けないので、とらの時にお世話になった獣医さんに往診をお願いした。

夕べからほとんど何も口に入れてないので、うずくまっている小屋の中へドライフードを入れた。
そしたら、床を舐めるようにして食べる食べる。もう少し足してやろうとすると、野生の獣のように唸って吠える。
とてもとても近寄れない。
そんなところへ獣医さんが来て下さって様子を見てみる。

麻酔銃でもうつしか外へ出すことができないけど、麻酔銃などは持っていないので麻酔注射を打つことができるようになるまで、ちゃんとした診断も処置もできないから、このまま様子を見ることにしようということになった。

四肢に力を入れて立ち上がることも、頭を上げて鍋の中の水を飲んだりご飯を食べたりすることができないんで、今まで通り味噌汁ぶっかけご飯を食べることができない。

おやじが心配したような、今日明日にでもどうにかなってしまうという事はなさそうだけど、もしそういう状況になったとしてもなにも不思議ではないことだけは確かだ。

見た様子では衰弱している風でもないので、足腰がたたないような何かが起こってるとすると、消炎剤のようなものを与えてみて様子が落ち着いてくればすこしは状況が良くなるかもしれないってことで、6日間分の錠剤をもらってきた。

早速顔の前に置いてやると、あっという間に食べてしまう。
固形のものは浅い皿に置くようにしてやれば食べられる。これがいつまで続くかわからないけど、今日のところはそれしかしてやれない。

明日からは味噌汁の残りを弁慶に食べさせられない。

またまた味噌汁の加減ができないんで困っているとこなのであります。

弁慶が本当にいなくなってしまうっていう実感がないので、今のところそれほど動揺してないつもり。
だって、おやじの慌てっぷりを見てると、ちょっと落ち着けよ!って言いたくなるからね。


文春の小川洋子の文章に、夫婦生活も長くなると、何かの日を二人で過ごし、二人で同じ事を体験しながら二人で何かを思う日が増えていく、なんてことが書いてあった。

今日もそんな一日なのかな なんて思ったりしましたのさ。