しみこませた記憶

乙女の祈りを弾いてみたくなった暖かい土曜の午後。
おじいが娘のために買ってくれたピアノは、今では年に一度調律の時にだけ音を出すってなひどい扱いを受けている。
私の友人ちへ行った時なんぞも、高校生時分であっても、よく物置になっていたりしてたから、今の我が家のピアノの状態はそれほど珍しいことでもない、はずだ。

ピアノピースを探して弾きだしてみる。ところどころ上手くいかない箇所があっても、ちゃんと一曲弾けた。
うん、やっぱり弾き込んだだけの事はある。指が覚えてるんだ。体にしみ込んでた。なんだか満足。

それでもっと簡単なはずのエリーゼのためにに挑戦。
はははぁ。あんまり好きじゃなかったこの曲。弾き込んでないだけの事がある。ちゃらちゃらちゃららららーからホンの少ししか弾けない。楽譜を読みながらしてみてもどうも上手くいかない。もう楽譜を読むのが面倒になってあっさりふたをした。

やらないならやらないだけの結果 やったらやっただけのものが身につくって事だよ。その時は面倒だったり苦しかったり楽しい事ばっかりじゃないけど、それでもやれる事はやればいいんだよ。いやでもやらなきゃいけない事がある時は、やるしかないんだよ。余計な事なんか考えないで、動くんだよ。人からの評価はその後の事なんだから。
と、悩ましい(調べてみた:(2)気持ちがはれない。悩みが多い。「煩悶(はんもん)多き青春の―・い日々」)日々を送っている娘が元気でいるようにエールを送ってみる。