逃げてみた

おじいに晩ご飯食べれるよって呼びに行った。
よれよれしながら部屋から出てきた。
やばい。これはすんごく酔っぱらってる。絶対だ。関わらないに限る。
先日おばさんからもらった”いいちこ”を飲んだに違いない。明らかに焼酎を飲み過ぎた時の有様だ。
案の定よっぱらって何か話しかけたそうに、えづいたりえへんむしを出したりうふふっとか思わせぶりに笑ってみたりしてるんだが、それに乗るってのは蜘蛛の糸に引っかかりに行くようなもんなんで、とにかく知らんぷりをして、いつもなら目の前に座って食事を取るのだが、まだやることあるもんねーってふうにおじいに背を向けて調理台に立ってそん時やらなくてもいいことをして、おじいが食べ終わるのをやり過ごした。
よし。いらん波風を立てずにすんだぞ。
こんな日は会話が成立しないのは、火を見るより明らかだからね。


で、9時ちょい前だ。
夕方よりしっかりした足取りで”焼酎飲んだでなぁ”とかいいながら、おじいが部屋から出て、台所へ入って来て空っぽのお釜を開けてる音がする。
”晩ご飯食べたよ”と声をかけると、黙ってすぅっと部屋へ戻っていった。

明日のおじいにどれだけの記憶が残ってるんかいな。
ま 冷たい嫁って印象は残ってるかもね。

ドラマを見てるんだけど、りょうちゃんの役者っぷりに鳥肌が立ってしまった。
小さい頃みた殺人犯の顔を認識したとこ。声と表情で、それまで挟み込まれていた過去のシーンで現してた、時間の流れや遺児として成長してきた言葉に出来ない心情がづわっと伝わってきた。
じゃにさんの眼力ってのは芸能の神がかってるねと思ったんであります。
やっと主題歌とドラマの中身がしっくり来はじめたのと、やっとこさくどかんのホンが面白いと認められた(連ドラはそーせきさんとこれで二本目なんですけどね)金曜の夜なんであります。