物語の中にこそ

真実があるって、紫式部が言ったんだって。
そういえば、そんなこと読んだ気がするなぁって思ったけど、それは30年くらい前の事だな。
30年って打って、自分で思わず頭がくらっとする。そんなに時間が経ってる実感がないのに。

短大時代に初めて万葉仮名を学んで、その万葉仮名で書かれた末摘花がテキストだったと思う源氏の講義。その教官が光の君を気取ってるんだか、口元に扇を当てていそうな雰囲気を出しながらも全然似合ってないじいさんで、そのじいさんが一人でくっちゃべってて、ただそこに座ってたような・・・。一体あの時間何してたか全然覚えていない。
試験は文語文を口語訳をするってので、カンニングし放題だから全然大丈夫だよーって噂通りだった。
ってな事を、NHKの番組を見て思い出してる私。

もうちっと式部の人となりを掘り下げてくれるのかと期待してたのに、上っ面をなぞるだけでなんのおもしろみもなかったから、そんな事を思い出してしまったのかしら。

史実を記録したものから真実は読み取れないが、物語の中にこそ歴史の真実があるって言われて、だから私たちは小説を読みたくなるんだと改めて思ったんであります。

年取るとね、今まで何度もそう思った事も、今、初めてってな感覚になるって事を感じる。


って、打ってね、おじいが何度も同じ事言ったりしたりしてるじゃん、って突っ込みたくなる事でも、”こんなこと、なかったことやになー。初めてのこっちゃ。”って言ってしまうのが、少し分かってしまう、悲しいお年頃の私ってことかいな。