一人で出かけた

お昼頃映画館へ一人出かける私に微妙な嫌がらせをするおやじにもめげずみてきた藤原映画。

面白かったねー。昭和のにおいぷんぷんで。今はなき昭和の大スターたちが映画を作りたがって大きな借金をしてたらしいが、そんな人たちが作りたかった映画だったような気がする。

西部警察とか探偵物語とか傷だらけの天使をわくわくしながら見てた人たちが見れば絶対、面白い!っていう映画だった。

松田優作のために書いたという脚本だというのが、とてもよく分かる。
ああ、ここそうだよねって。でも目の前にいるのはいままさしく25歳(今は26だけど撮った時は役の年も実年齢もは25歳だったかな?)の藤原で。でも、全然違和感はない。

めちゃくちゃかっこいい。ですのどころじゃない。

占い師の前にぬっと差し出す手のひらを見ただけで泣けてしまった。
あんなにごっつい仕事師の手だったっけ?
私が握手した手のひらはもっとふわふわと優しいものだったはずなのに、スクリーンの中の手のひらはとても25歳の若者の手とは思えないものだった。

裏社会をしのいできた大人の男の手であった。ぬっと差し出した手のひらでさえ”ゴーロ(役名伍郎を映画の中でそう表記していた)”であった。



髪の毛一本(大げさすぎるかもしれないけど)でさえ、ゴーロになっていた。

きっと役のためには健康な歯を抜くこともいとわないという優作に観てもらっても恥ずかしくない出来になっていたんじゃないかと、ファン目線では思う。

カーチェイスもアクションもものすごくかっこいい。ちゃんと映画のシーンになっている。
1000円では申し訳ないくらいだ。

自分が俳優として変わっていかなくてはいけない時期だと感じていた時に、この映画と出会えて非常によかったと思いいます。

撮影が終わって役と別れるの惜しかったと言っていた藤原。そう思うのがとてもよく分かる。

かもめの藤原と同一人物?と思うほど、野田伍郎は野田伍郎だった。

出来ればもう一度見たいが、帰ってきてからも”俺も見たかったなぁ。1000円でも高かったって言ってくれた方がよかった。今日は夏期講習の準備でホントに忙しかったし。”とか、ぐちぐち言ってるおやじの気分を逆なでしてまで出かけられないので映画館へ出かける事は諦めるとする。

これはDVDが出たら絶対手元に置いておきたいと思った。
いえもん様のDVDの次に私の好きな藤原映像になったね。
ほんとにかっこよかった、野田伍郎もそれを演じる役者としても。

スクリーンでの藤原を見られてホントによかったよ。