スペイン雑感。

ということで行ってきました、はるばるスペインまで行きに19時間かけて。
ついた直後のバルセロナは大荒れの嵐で、早速先行きが不安になりましたが、案の定2日間のバルセロナ滞在では常に雨が降りつつけるあまりよくないめぐり合わせでした。

雨でほとんど見えないカザ・ミラ。

雨にぬれたグエル公園
で、それ以後のグラナダ(アルハンブラ宮殿があるとこ)、セビージャ(フラメンコ発祥の地、スペイン第四の都市)、マドリード(スペインの首都)は運のよいことに晴れに晴れて非常に気分のよいものだったのですが、そこで初めて気付いたのはとにかく空気が非常に乾燥しているということ。初日はとにかく雨で湿気むんむんだったので気付かなかったんですが、晴れてしまえば空気中の水分が全部飛びぬけるような青い空に吸い込まれてしまったかのようにひたすらひどい乾燥で、日本の冬も嫌で仕方がない粘膜が弱い(?)私は眼は痛いし鼻の中は切れるし唇はひりひりするしたまったもんじゃありませんでした。

車窓から。いかにも乾いてる感じ。
あと、その国で寝起きして初めて気付いたことは時間が日本と2時間ずれている、ということ。スペインの夜明けは8時です。なので8時ごろにタクシーに乗ると早朝料金をプラスされるし、7時に空を見上げるとなんと星空が見えます。そして日没は20時過ぎ。子供たちは22時過ぎまで外で遊んでいます。これにはスペインではサマータイム稼働中(実際の時間よりも時計のほうが一時間早い)、という種明かしもあるんですが、それにしても日が長い。また、スペインの夕食開始時間は20時21時なので、おかげで疲れて一度ホテルにもどってぐだぐだしても夕食までには全然時間に余裕がある。これは楽でした。というか、そうしないとへとへとになります。スペイン人はよくシエスタ(昼寝)をするから怠け者の印象を持ちますが(みんな持ってない?)、猛烈な暑さの昼間(ひどいときは最高温度40度!)の時間を涼しい家の中で過ごして、日差しが落ち着いてきた時間から行動を再開するという、その土地の環境に適応した地元人の生活の知恵だったわけで、我々旅行者も郷に入ったら郷に従えとばかり疲れたらホテルでぐだぐだを繰り返してました。あ、でも気温は日本より涼しいくらいでしたよ。やっぱり湿気が少ないのもあるかなー。

夜7時半過ぎでも十分明るい闘牛場。
食べ物に関しては、バルセロナでは全体に塩気が少々効きすぎ、ということを除けばどれもおいしかったです。ただ日本人の口により合うのはイタリアかなー、という気がします。スペインはBARが非常に発達していて名古屋の喫茶店みたいに数m歩けば店に入れるくらいどこにでもあります。で、そこにはタパスと呼ばれる酒のつまみみたいなもんがいっぱいあってそれを頼んでおなかを膨らます、という感じで毎回の食事が行われます。地元人はカウンターの前で立ちながら酒を片手にべらべらしゃべってます。メニューは本当に観光客がいっぱい通る道の沿道の店じゃない限りオールスペイン語。店員もオンリースペイン語。よめねえ。しかも英語で書いてあってもたまにスペイン語そのまんまで書いてあったりするのでやっぱり読めない。なので大抵必死に『一人歩きのスペイン語』を片手に読む羽目になります。とりあえず読めた単語を参照に頼むのですが想像と違ったものが出てくることも結構あってびびりますが大抵おいしいのでオケーです。ただサラダはビミョーかも。パスタ、ピザはイタ飯屋じゃないとありません。基本的にスペイン料理オンリー。ガスパチョは(トマト嫌いには)まずい。あ、サングリアが非常においしかった!サングリアとは赤ワインをレモネードで割ったり単純に氷を入れただけのものにオレンジ、レモン、りんご等を漬け込んだもの。これは日本でも飲みたい。まじグー。

白身魚のオリーブソースムニエル?かなりしょっぱい。

クロケッタ(ホワイトクリームと生ハムのコロッケ)とサングリア。
スペインのお菓子といえばチュロスですが、あれは本場では全然甘くなくてむしろしょっぱいくらいです。で、チョコラータというチョコレートをなんか入れて固まらないようにしたかなり濃くって甘い飲み物(!)につけて食べるんですが、これが殺人的に甘い。もうね、頭痛いどころじゃなくて胸焼け、喉やけ、吐き気が伴なわず全部食べきるのは不可能です。おいしいんですけれどね。とにかく何でもお菓子は甘かった。異様なくらい甘かった。チョコレート、ムース、ケーキの生クリーム、クッキー。どれもこれも甘い。日本人には無理です。でも、チョコラータの生クリームは甘くないんだなー。それはまだ救いでした。

どこまでも甘いケーキ。

プリンとチョコラーテとチュロスと生クリームつきチョコラーテ。生クリーム付が私は好き。プリンは甘すぎ。

ウィンナーコーヒーとベイリーズ入りチョコラーテ。
また、食事に関してだけでもないんですが、とにかくイスラムの影響をそこらで見ました。さすが一度イスラムに占領された国、建物にしろ(モスクの名残とかアルハンブラとか)、物産にしても(グラナダのなんとか細工はアラブっぽい)、食べ物にしても(ケバブやいっぱい)、なんでもイスラムっぽいし、アラブ系の人も多い。南のほうが支配された期間が長い分ずっとずっと影響が色濃く残ってました。

アルハンブラ宮殿

セビージャのアルカサル(王宮)。アラブ人が立てたのをスペイン人が没収したもの。
あと、とにかく思ったのが、食費が高い!物価自体は日本と変わらないのですが、食費はとにかく高い。ちょっと飲んでちょっとおいしいもん食べようと思うと20ユーロはします。大抵タパス一皿4〜6ユーロで、3皿くらい頼まないとおなかにたまったならないので普通のバルで昼ごはんを食べようとするとどうしても10ユーロはするのでどうしてもコストがかかってしまいます。ファーストフードも微妙に高くて6,7ユーロはします。観光 一等地のリストランテはパエリアは二人前40ユーロでした。最後の夜だから!と気張って入ってご飯はおいしかったものの魚介のマリネ、パエリア(2人前)、サングリア(ピッチャー)、つきだしのパンの合計金額が88ユーロでした。ぎゃああああぁぁぁぁぁ。日本だと料亭いける・・・・。とにかく一番かかったのは食費。間違いなし。

肉団子とイベリコ豚の生ハムとサラダで、上のサングリア、クロケッタ合わせて2500円強。

ひとり分、2500円。ハンパなく量も多い。食材は豪華(手長えび×2、えび×2、いか、ムール貝、その他)でおいしいー!のだけれどね・・。
一方とにかく安いのは交通費。バスは怖かったので乗らなかったのですが、地下鉄はどこまで行ってもバルセロナ1,25ユーロ、マドリード1ユーロだし、タクシーは初乗りが2,5ユーロ。大抵7ユーロくらいで目的地に着きます。治安上問題のある夜の地下鉄のかわりや交通の便が悪いところにはお手ごろ値段で目的地まで確実に届けてくれるので非常に助かりました。京都並にいっぱい走っているので結構すぐ捉まえられて便利だし。治安の悪いスペインには必需品です。

とりあえず思い出すのはこんなかんじです。治安に関しては、事前に最悪の情報を頭に入れていたし、それなりの対策はしていったので(パスポート等重要なものは持ち歩かない、かばんの中に財布を入れない、財布が入っていないことを分かるようにビニールバックでいく、スリに狙われないようにかばんをしっかり持ち危機意識があることを表明する等)そこまで怖い思いをしなかったのですが、一度地下鉄からブラジル人につけられたことがありました。事前に狙われていたのになんとなく気づいていたので何事もなく終わりましたが、非常な恐怖を感じました。決して安全な国ではないのは確かです。本当の本当に油断は禁物。


おまけの写真たち。

のりかえのアムステルダムスキポール空港の標識。アルファベットの中の人がかわいい。

サグラダファミリア

セビージャで馬車に乗りました。

ぎらぎらしてる王冠。上のハトはダイア尽くめです。

本場のフラメンコも見ました。

へんなたたみ素材の帽子も闘牛に夢中の白人にはよく似合う。