香ばしいぞ

おじいはここんところ午後は毎日畑へ行っている(家から車で10分くらい山の方)。今日も今日とておじいは畑へ。
夕飯の時に、おじいがいきなり話しかけてきた。
「今日ハタ行ってな。」
ちょっと話しづらい人がいたから、たけのこでも掘ろうと思って山へ入ったんだそうだ。
「でな、まむしがおってな、どうしようかと思ったけど、また出てきても嫌だで、頭叩いてたらのびてな、」
脳しんとうか?
「で、頭縛って帰ろうと思っても、紐なんか持っとらせんで、藤の蔓の皮むいて紐にして、まむしを縛ってぶら下げて山から出て、みのちゃ(おじいの友人)にりょってもらおうと(料理してもらおう)思ったらおれへんかったで、皮だけむいて持って帰ってきた。」
はぁん?でそれをどうするんだ?
「焼いて食うと香ばしてええぞ。」
どっへーー。ヤモリの黒焼きは聞いた事あるけど、まむしの素焼きって。割りに何でも食べられる私だけど、これは生臭そーって気がするし、蛇はちょっと箸が進まないと思う。てか、おじいに勧められたら食べる気か私。
で、皮をはがれたまむしは今おじいの車の中にいるそうだ。この陽気でなんかすぐにでも匂って来そうだが、そんな心配はいらんそうだ。ほんとか?

おじいを見てると、神代の昔から人はこうやって、八百万の神に守られて(心の頼りにして)生まれた土地に住んで生き続けてきたんだなぁなどと、思う。人って逞しくて弱くて愛おしい存在なんだ。
今住んでる国を愛するってこんな事なんじゃないかと思う。そこから産まれた言葉で出来たのが歌なんじゃないか?それに人が気持ちを寄せて節がついて、歌が出来てきたんじゃないだろうか。
そりゃ、いい人も悪い人(すごくおおざっぱな分け方ね)もいろんな人がいる世の中だけど、相手が気に入らなくて亡き者のしてしまおうという人ばかりだったら、人間なんてとっくにこの世か消えてしまっているだろう。

考え方がえらく飛躍してるけど、ちょっとそんな事を言ってみたくなったので、書いてみた。

いのちを 食べて繋いで 生きていく なんてさ。