メモ。

最近読んだ本。
インド夜想曲『インド夜想曲アントニオ・タブッキ
イタリアを代表する現代作家の代表作。同じくイタリア人作家のカルヴィーノそのままを予想していたら大分雰囲気が違っていてむしろカミュの陰気な部分を取り除いたような感じでした。
この本の場合インドという場所設定がどこまで読んでいる人に幻想性を想起させるかが結構重要なようで重要ではなく、単に入り口をわかりやすくするためのきっかけ作りとしての役割として位置づけられている気がするのですが、それが果たして妥当なことなのかどうかがいまいちわからない。作者自身が実在する場所を使用している意義として「地図上の場所のリストが、現実だけが持つ威力を発揮して、《影》の探求であるこの《夜想曲》になんらかの光をもたらすかも知れないという錯覚が私にこんなことをさせたのかどうか、よくわからない」と説明しているものだから全く持って単なる読者でしかない私には結論のつけようがないのです。
そんな現実のはずであるのに曖昧さを保ちながらいつの間にか幻想の世界へと入り込み、最後にはその小説の世界を現実から種明かしするというメタ的手法がとられているこの本、短い分物足りなさもありますが気軽に洗練された虚構世界に張り込むにはうってつけだったりします。ちょっとしたお勧め。

今日見つけた人。
セニョール セニョーラ セニョリータ/Gigpigブギ (初回限定盤Aタイプ+グッズ付)(DVD付)雅(みやヴぃ、とよみます)
すごい人。ちょっとだけはまりかけてる気がする。  うそです。