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本当に年の瀬か?と疑いたくなるくらい、掃除のすすみ具合が遅々たるもので、我ながら嫌になってくる。だからといって、睡眠時間を削ってまであれこれするつもりもないのが、ぐうたら主婦たる由縁だ。10日前の大雪から鼻声になり、なぜだかずっとずびずばの鼻声が続いている。空気が脳へきちんと配達されないのか、どうにもぼんやりしてる感じがぬぐえない。
そんな中、お正月を迎えるために準備の買い物をしたり、ぼちぼち掃除をしたりしている。
お墓へ供える用の若松を切りそろえていたら、ねちねちの松ヤニを手につけてしまったけど、お構いなしに掃除に戻った。
ふと、指先に違和感を感じて目をやると、ハサミの先で切り込んだような△の血の滲んだような後ができていた。痛みもないし何をしてこうなったのか全然思い出せない。ここのところ近場を見るための老眼鏡がないと、見えない物が多くなってきたので、指先の状況を確認するために眼鏡をかけた。
切れ目はないけれど、少し赤くなってるように見える。痛みもないので、そのまま掃除を続けた。しばらくして息子が近くに来たので、どうなってるか見てもらった。
「別に何ともなってないみたいだよ。何かくっついてるんじゃない?」という。
何かくっついてる?あっ、指先についた松ヤニに掃除中のほこりやらがくっついてるのか?
反対の手の指でそこをこすってみた。
ほんとだ。傷口のように見えた△が、シールをはがすようにぬっちゃりと指先から離れていった。
ああぁ、また老眼が進んだんだろうか。少しもの悲しい年の瀬だ。