神の力?

家猫とらが姿を見せなくなって、今日で丸3日になる、ところだった。
丸2日まではまだなんとか見過ごせる。丸2日間が過ぎた昨夜には、心配性の息子がおろおろし始めた。私もどこかにいるであろうとらに聞こえるようにと、静かな空間に向かって日に何度となく声をかけていた。
今日の昼までに戻ってこなければ、顎下のほくろげを切ってしまおうと、思っていた。
『いいとも』を見ながら、戻ってこなかったなぁ、『いいとも』見終わったら切ろうって、思っていたところで、外からかすかに「にゃーにゃー」と声が聞こえる。
何事もなかったかのように、とらが家へ入れてくれと、催促している。さも、「もう、色々忙しいのに呼び戻すなよ」とでも言いたそうに、戻ってきてやったぞと、のしのし歩いて、
「はやく、ご飯!」と、きれいに洗っておいたとらのご飯茶碗の前へと誘う。
どこにいたの?ちゃんと帰ってらっしょいよ!と文句を言いながら、息子にとらが帰ってきたよメールを送り、ご飯の支度をしてやる。
少しの時間をも惜しむように食べ、お代わりを催促し、それもほとんど平らげてあっという間にまた出かけてしまった。
今日は2時前には帰宅してきた息子は、いつもよりもずっと早く帰る事ができたのにもかかわらず、とらに会う事ができなかった。
でも、ちゃんと元気に生きている事が確認できただけでもよかった。ほっとした。
どこかで飼われてるのかと疑うくらい、きれいな身体をしていたし、げっそり痩せていたわけでもなかった。
とらが出かける前には、あんたは家の猫だからね、ちゃんと帰ってらっしゃいよと、念をおしておいた。
ということで、私の顎下ほくろげはまだまだ伸ばしておく事になった。神の力でもはたらいているのだろうか?