並んだ 入れた 握手した

先週の土曜から日延べをして行ってきましたあかのさかのお店。

夕方5時ちょい過ぎに到着。キャンセル待ちは?って青いレインコートの様なのを来たスタッフのおじさんに声をかけた。
”8時から並んでる人もまだ一人も入れてないんです。今から並んでも閉店までに入れないかもしれませんよ。”
”ええ。(うん。そう言われるのね。)で、どこで並べは?”
なにかお返事下さったのだけど、良く聞き取れないまま、整理券の列に沿って行くと、やっぱりスタッフに声をかけて指図されてる人がふっと入った列に私もすっと並んだ。
去年の経験があるので、ある程度の時間並ぶ覚悟も出来てるし、そこそこの防寒対策もしていった。
時間つぶしのために、息子からのお下がりのあいぽどに昭和の名人・落語を入れるだけ入れてバッテリーもびんびんだぜ!にして用意していった。
私の前後は二人組で並んでいて、一人がマックで食料を調達していたりしていらしたが、私とお隣さんは一人ずつなので、それぞれが耳にイヤホンを刺してそれぞれの時間を過ごしていた。
途中少し列が進んだのだけど、5時の回が済んで、6時の回が始まっても、まっっったく列が動く気配が無い。7時の回が集まり始めても微動だにしない。
去年はここら辺までにで少しずつお店へ入れたのに・・・。
もしかして、本当に閉店まで並んでも入れないかもしれないと、隣にあるお店のガラスのディスプレーがとんでもなく遠くて冷たい存在に感じていた。
今夜入れなくて明日朝早く並んだとしても19時過ぎの整理券しかもらえないようなら(並ぶために5時起きとかの自信が全く無い)結局入らずに帰ることになり、何しに行ったんや!ってすっごい苛つくおやじの声がリアルに想像できて途方に暮れていた。

ブーツonタイツon五本指靴下に暖かパンツをはいて、コートonとっくりセーターon暖かシャツonババシャツに少しずつ足していく計画通りに、まず手袋、帽子、次にコートの中に暖か襟巻き、背中に貼るカイロ、もう一枚貼るカイロ、腕が寒くなってスカーフを羽織る。
どうしよう、ブーツを脱いで靴下をはこうか。どうしようか。
うーーーん。ちょっとみっともないかも、でも、もう足がすっごいつめたい。どうしよう、どうしよう。って思ってたら、娘よりちょっと上くらいの隣のお嬢さんが、”寒いですね〜”と声をかけてくださった。
そこで鞄の中に余っている貼るカイロを差し上げて、そこから会話が始まった。


北海道に住んでらっしゃるすまふぁんの妹さんが、上京する姉に(美濃にお住まいなのだと)とにかく並んでくれって頼んだのだそうだ。
なので、さっぱり仕組みが分からず整理券配布もご存じなく、中での買い物もどういう風にしたらいいのか皆目検討がつかないのだとおっしゃる。
”だったら妹さんから買ってきてって言われてるものがあるでしょ?”
”ええ。携帯を見れば”
という会話をしてると、整理券の列がすっかり無くなっていて、キャン待ちの前方でスタッフがカウントをし始めた。
時計を見るとまだ7時までに30分近く残っている。
これは、中へ入れてもらえるかもしれないねって、お隣さんと喜び合っていたら、割にごっっそり、ごっそり、移動し始めて、前方のブロックが中へ入ったところで、スタッフが私たちの方へ近づいてきてカウントをして、私たちまでって区切られた。
どうやら、その回のギリギリでお店の中へ入れるようだと、二人でよかったねー、よかったねーと言い合った。線を引かれた後の人には申し訳ない気持ちもあったけど、次回では先頭になるのだからと、後へ気持ちを残さないようにした。

先頭の様子はさっぱり分からないまま待っていると、いよいよ私たちのブロックが店内へ誘導された。
”落ち着いて、慌てないで、ゆっくり”と、スタッフが声を出してる。
やーー、そんなに慌ててないんだけど、不思議だなぁって思いながら店内へ入ろうとしたけど、前が詰まってて入れない。スタッフが白いスクリーンカーテンを引いていて(なんのため?とも思わなかった)、背中を押すようにして私たちを店内へ押し込んでからカーテンを下げた。後5人とかいって、7時のはじめの人たちも入店。

入ってすぐに噂に見聞きしていた足跡があって、メンバーの衣装があって、先に入った人たちが写真を撮ってたから詰まっていた理由が判明。
ななえさんが失敗したごろさんの足形だけでもって写メって、ピンクコートもってそれだけ撮ったら、今度はお買いもの。
さっきのお嬢さんが、そばにいてどうやって?ってな様子なので、あっちのカウンターで買うんだよって、見ると、カウンターとの間に妙な空間が出来ていて、先に入った人たちが空間をあけて固まってる。

カウンターの前では誰も買い物をしていない。
”え?買ってもいいんだよね”って、カウンターの中の売り子さんに聞くと、どうぞって言うんで、先のお嬢さんが一番右のレジへ、私は真ん中へ進んでお買い物を始めた。
既にななえさんに買ってきていただいたCDとフォトブックは自分の分として、娘用に
”CDとフォトブックとカードセットを二つペン・・・ブランケット。”
んー、後どうしようかって思って後ろを振り返って見ても、後は殆ど固まっていて誰も買い物の列に並んでこない様子。何でかなぁと思ったけど、ま、いいかって、
”もう少し悩んでいても良さそうですよね”
”ええ。”(にっこり。レジの人)

んーーー、どうしようかなーーーー・・・(うんうんと品定め中)・・・・・いきなり
ぎゃーーーー!!(どっかーーーんって感じ)って歓声が上がって振り向くと後の人の塊の中から腕が伸びて写真を撮りまくっている。
え?と顔を戻して前を見ると、右前方からしんごちゃんが入ってきた。

え?え?え?しんご!?

となりのお嬢さんの前に止まりかけて、ほぉって思って見とれてる間に、私の目の前にしんごがたった。

え?え?え?え?え?え?なに?なに?なに?

みんなに手を振ってて、写真撮られまくり。

私も撮りたいなぁって気になったので、

”写真撮ってもいい?”
”みんな撮ってるからいいんじゃない?!”(今思い返せば少々ぶっきらぼう
ごめんね、一枚だけ撮らせてねって(声に出さずに)一枚だけ携帯に納めた。
しんごがどんな風だったかあんまり覚えてないけど、私はだたただじっとじっと目の前のしんごを見ていた。

すると、私が頼んだグッズを一つずつ手にとって腕を上げてじっくりじっくり見ていた。
(今思うと初めてグッズをみて、こんなになってるんだぁって見ていたのかもしれない)

で、これ?って言ったかなぁ。
だから、そこに出されてるグッズは全部私が頼んだものだから、
”全部。”
???って風だったかなぁ。
今思うと、私が頼んでそこに出ているって知らないで、そこに並んでる状態のところへひょいと来たんで、そこから選ぶんだって思ったのかなぁ。
なので、
”じゃ、マグカップも”
”マグカップ”復唱して、後から出してもらったものを手渡されて、またしげしげとグッズを見て、
”これ全部”って言ったところくらいかなぁ、なんだか、うまいことお買い物できない風になっていたところへ、レジの人が金額を告げて、
”おかね払わなきゃね”って、いちまんえんを出した。
細かいのも出そうかと思ったけど、とても計算なんか出来ないんで、
”それで。”って。

レジの人がお仕事してる間に、私のグッズをしんごが一つずつ丁寧に丁寧に袋に入れてくれて、その間におつりが渡ってきたら、しんごちゃん(なんでかここだけちゃんづけ)が私におつりを手渡そうとしてくれたので、何を思ったのか私は財布の硬貨が入るところをぱっくり開いて差し出して、ああ、いかん、何やってんだ私って、そこへ入れてくれって態度なんてダメじゃんって、おつりを受け取って財布を閉じた。

そいで、グッズの袋を大事にするように差し出してくれたので、そっと手を出して受け取ったら、右手をすって出したんで、あ!握手だって、慌てて手を出して、そっとしてるしんごちゃんの手をきゅって握ってしまって、あ!しまった握っちゃったって思った瞬間、慎吾ちゃんの手が温かくて自分の手の冷たさを感じた。
そうか、ずっと寒いなぁって並んでて、手袋してても手が冷たくってってさっきまですっごく寒かったんだ、なんて思って。

受け取りながらかしんごちゃんが先だったか”ありがとう””ありがとうございます”って、私のなんだか現実だったのかどうなのかの夢のようかお買い物が終わって、お店を出ようと戻ろうとしたら、固まっていた人が良かったねぇって声をかけてくれて初めて、私としんごちゃんがみんなに見つめられていたんだと気づいた次第で。

どうやら、お店はその間出入りが出来ないように施錠されていて、私の後に何人かがしんごちゃんと会話をしてお買い物をして握手をしてを繰り返していた。
今着てるシャツはコムサ?なんちゃらで(聞き取れなかった)パンツはこの間(二つ前?)のMステの時と同じとか、めがねのフレームはつげ?(ここも聞き取れなかった)で、櫛とかに・・・とか、十三人はりましたーとか、また十三人(ごろちゃんいじりっぽく)だよーーとか、しあわせDVDだよーーとか、全部二つお買い上げーーとか、楽しげな空間になっていました。
みっちーがせかして、しんごが壁にサインをして、お買い物は終わったのでした。

そこに入っていた人たちの殆どはずっとずっと寒さをこらえて待ち続けていた人たちの中のほんの少しのすごくすごく幸運な人たちなのでした。

先のお嬢さんと一緒にみんなのお買い物するのを見ていて、
”みんなすっごく幸せそうな顔してるんですねぇ”って感心されてて、
”本当にきれいなんですねぇ(しんごが)”って、話してた。
妹さんはしんごファンだというので、私が頂いたレシートを
”しんごちゃんが渡してくれたレシートなんで、これを妹さんへ”って、意味わかんないけど差し上げてきた。


出かけにおやじが私が出る予定より早めに駅へ送ってくれなかったら、乗り継ぎ検索で電車が止まってるって知らなかったら、東京へ入ってからの乗り継ぎの経路が違ったら、移動途中の並んでるトイレを避けなかったら、あの列の区切りには入られなかった。
なんという偶然の産物でしょう。こんなに幸せなことがあっていいのかっていうくらい今年のすまらいふはすごかった。
何年も好きで居続けて、こんなに近くにいられることが何度もあるなんて、信じられないけど、ありがたくありがたく享受させていただくものであります。

グッズを包んでいるビニールも保存しておくものであります。