まさにそれ

藤原がナレショーンをした『余命1ヶ月の花嫁』がまさに乳ガンから転移ガンで亡くなってしまった24歳(か25歳)の女性の話だった。闘病番組はあまり見たくないのだけれど、これは私が見る前に想像していた、いかにもなお涙頂戴話ではなかった。
若くて可愛くてモーターショーのコンパニオンなどでお仕事ばりばりしてたその人は、ふと触れた胸のしこりに気づいた。けれど診察を受けるまでやっぱり間が空いて乳房切除手術を受けなくてはならなくなり、リハビリ後コンパニオンの仕事は辞めてSEの勉強をして新しく仕事をし始めたら咳が止まらなくなっていた。肺転移、骨転移で余命一ヶ月と宣告され、亡くなってしまった。
闘病前に知り合った男性には病気の事をうち明け、その男性と共にがんと闘うことになる。
女性は母親をすでにガンで亡くしていて、父親と二人家族。その父は治る見込みがないとはとても娘に言えない。女性は治る事を信じて辛い治療に耐えている。女性の夢は花嫁衣装を着て彼と写真を撮りたいってことだ。
もう時間があまり残されていないと感じてる女性の友人たちが必死になって式場を確保し、写真だけじゃなく女性に内緒で結婚式もあげてしまおうと計画し、亡くなる直前に女性の本当に幸せそうな笑顔を見ることが出来た、って大体はそんな話だった。

でも、それは単なる闘病記を伝える番組ではなく、最近若い女性に増えているという乳ガンの事を知ってもらいたくてその女性が自分の事をTV局に連絡をして始まった取材だったようだ(だから亡くなってしまうとは番組側は最初は想像もしていなかったんではないかと思われる)。

若い女性は、ほんの小さなしこりに気づいたとしてもすぐに検査を受けようとは思わない。この亡くなってしまった花嫁も、もっと早く病院へ行っていれば切除手術しなくてもよかったかもしれないし、ガン転移はなかったかもしれない。だから世の中のみんなに乳ガン検診をちゃんと受けて欲しい、だからTV局に連絡をしたんだって、苦しい息の中でインタビューを受けていた。若い時に出来るガンは、どうやら進行速度もずいぶん速いらしい。そしてやっかいなガンであることが多いという。

その番組をみてすぐに娘のことを思った。それを書こうかどうしようかと思ってる時に、もう娘は自分でそんなことを考えてる事になっていたんだと、ちょっと驚いた。


そこで我が市だ。40歳になると市の健康福祉部健康課から健康診査のお知らせが来る。国保の人は市が全額負担で受診出来た。それが何年か前から、国保も負担金を払わなければならなくなり、なんと今年は毎年受診出来る検査内容にに含まれていた乳ガン検診が1年置きになった。
その番組でも乳ガン検診+マンモグラフィーを毎年無料で受診出来るようにすすめている運動を紹介していた(たぶんこれもピンクリボン運動の一環だと思う)。
なのに我が市は、マンモグラフィーは2年に一回。毎年受診出来ていた触診の乳ガン検診も今年から2年に一回。
もし希望ならば実費で受診は可能という事になっていた。

っっざけんなよ。住民になんのメリットもない飾りだけのための道路工事に予算を充てられるのに、なんで住民の健康の為の予算を削ってんだよ!!って、実は怒っているのだ。


ほんとに小さな地方自治の場でも、そこの住民のためになんて考えられないんだからさ。
ほんと税金なんて払いたくなくなるよ。公僕とか奉仕とか、そんなのはもう絶滅言語だね。


カメとか龍とかだけじゃない あつかましいさもしいが多すぎる なんとかなしい世の中よ ってか。