裏から見る

朝台所へ立ったら窓の外側ににヤモリが張り付いていた。お腹の方からみるヤモリはテロテアリーナのように愛らしい。
指先がぷっくりしててETみたいだし、お腹周りもぷにぷにやわらかそうで触ると気持ちよさそうなのを想像してるだけで楽しい気分になってくる。
今日は一日そこにずっと同じ格好で張り付いていた。台所の窓は北側にあり、段々畑の名残で裏の家は少しだけ高くなっているので、夏の西日が当たる季節以外は、直接日の当たらない窓だ。そんななのでヤモリもずっと同じ形で張り付いていられたのだろう。
夕食の準備のお片づけの時にはすっかり外が暗くなっているので、台所の電気に小さな虫が寄ってくる。そうなるとヤモリはとても俊敏な動きで小さな虫たちに近づき、ぱくっぱくつと食べ放題といった様子で、窓の外で忙しそうに動き回っている。おちゃわんを洗いながら、感心して見入っていた。
今朝もお風呂でムカデを退治した。そいつも10cm超えだった。なんだか今年は遭遇率が高い。やな気分だったけど、ヤモリも住んでる事が確認出来たので、一安心だ。
天井裏や壁の中でうるさいねずみも、ねずみとりをあちこちに仕掛けたら、少し遠慮がちに出てくるようになった。
今月は思いもかけない退塾者が相次いでいて、おやじも私もがっかり気分だったけど、いつも通りに活動してるねずみやムカデやヤモリをみて、私はなんだかホッとした。
去る者を追っても仕方ないというか、追えないので、気持ちを引き締めて一生懸命やってこうの決意をしたおやじでよかったと思う。今回は割りに立ち直りが早かったのさ。