逃げて逃げて追い詰められて。

現実逃避はいけないとわかりつつもしてしまうものです。
で、最近読んだ本。
アーサー王物語〈3〉アーサー王物語 第3巻』トマス・マロリー編
やっと三巻も読み終わりました。1ヶ月くらいかかってしまった。この巻はトリストラム卿を中心として話が構成されているのですが、口承系の物語にありがちな話の右往左往具合が読みにくいです。お目当てのビアズリーの挿絵も巻を経るごとに少なくなっていって悲しいし。
でも、一度は全部通して読んでみたかった本なのでいい機会ですし、第五巻まで読みきります。今度4巻が出るのが5月なので遠い話ですけれど。
ちなみに、トリストラム卿についてはアイルランド出身の英雄ということもあり、故郷アイルランドでは彼を主人公とした『トリスタン・イズー物語』という別伝が存在します。この話は本来は結びつくはずがない二人がある薬によって強く愛し合うことになってしまい、それによって引き起こされる数々の悲劇に翻弄されるという悲恋の物語で、私がとっても大好きなお話なのですが、このアーサー王伝説においてはそういった悲恋の物語というよりトリストラム卿の立身出世物語としての面が色濃くなっており、トリスタン・イズー好きの私にはなんだか違和感のある話になっていました。
このアーサー王物語には思うところが色々とあるのでもし機会があったら語ります。でも例のごとくやっぱり口だけになってしまうんだろうなぁ。