旅。

とりあえず私の夏休みの旅行予定はイタリアと星の合宿先の長野、そしてまだ行くかどうかわからない四国。
去年働いてためたお金を使って、ちまちまバイトの合間をぬって、学生らしく行って来ます。
さて、昨日お昼ごはんを近くのカフェに食べに行ったら見知らぬ小汚いおじさんが、私が持っていた専門書を見て判断したのでしょう、「君、学生?」と話しかけてきました。
そうですけど、と答える私。するとそのおじさんはもう夏休み?とさらにたずねてきました。
今週の月曜にすべてのテストが終わり、他の学部の友達に先駆けてすっかり夏休み気分でいた私は、知らない人の話を聞くことのできる心の余裕があったので、そのよくしゃべるおじさんの話を約30分ほど聞いていました。
そのおじさんの話によると、自分は写真を撮りながら出身地の四国を離れ日本全国を旅している、今は京都にほれ込んでもう2年くらいすんでいて、最近は下鴨神社が特にお気に入り。
そして昔は会社員をやっていたけれど、趣味でやっていた写真を集めてつくったカレンダーがあたって300万ほど入ってきたら会社勤めが馬鹿らしくなって好きなことをやって生きていこうと思い立ち年収1000万の仕事を捨て旅に出た。
京都の写真を使ってカレンダーを作ったら今度も500万ほど儲かりそうだから、次は沖縄に行こうと思っている。
こないだ久々に娘と息子に会っていま自分がなにをしているかを話したら、特に息子がひどくうらやましがった。そりゃ、なんとも気楽だからね。
大体こんなことと、あとはスペースシャトルに日本人乗務員がいるのは日本が莫大な金を出しているからだ、とか、日本の政治家は情けない、とか、最近の学生はどうも駄目だね、とかそんな話をしました。
いや、世の中にはいろんな人がいる。どこまで本当のことかはわからないけれど、おじさんがすごく楽しそうな顔をしていたのは本当だし、写真が好きだってのも確か。だからどこまで本当だろか関係ないのだろうね。
おじさんはひとしきり話し終えた後、何故か一緒に写真を撮って、それから着物が大好きなこの写真をとりに行く、といって下鴨神社へと去っていきました。
その後姿を見送りながら、京都にはやっぱりなにかそういった人たちを呼び寄せる磁場があるのだなぁ、ということに思いをはせ、本が読めなかったことにちょっぴり残念な気分になりました。