土用

本当に暑い日だった。例年のようにいつものうなぎやさんに、といってもちょっと値段が張るので一年に一度土用の丑の日にしかご縁がないのだが、予約しておいたウナギの長焼きをもらいに行った。
細い一方通行の道の途中にそのお店があるので、とても慎重に運転をしていた。せっかく貯めた雀の涙程の貯金を崩すのはもうまっぴらごめんだからだ。
狭い駐車場はもうすでに一杯で、入れ替わり立ち替わりに車の出入りがあり、その波に上手く乗ってなんの問題も起こさず無事帰宅。
いつもはおじいと息子と私の三人で食卓につく。けれども昨日息子は仙台にいた。
おじいと二人でウナギを食べた。
「お、今日は丑の日か。」
「そうだよ。あっ忘れとった。梅干しほさないかんかった。」
「まだええぞ。日曜は雨が降るけど。」と、おじいが慰めてくれた。

土用の丑の日の前後で、三日三晩梅干しを干さなくてはいけなかったのに、すっかり忘れていた。丑の日をはさんで三日間ならば、全然雨の心配をしなくても良かったのに。
慌てて、今朝梅干しをざるに拡げて干したら、やっぱり夕方に雨が落ちてきた。
天気予報では、明日明後日と雨が降りそうなのだ。あぁがっかり。なんで忘れてたかなぁ。