強制退去

このパソコンのある部屋の天井裏で、かすかな子猫の声が聞こえたのが2.3週間前だったと思う。その時にこの家を建てた元大工のおじいが、外から入れそうな隙間をふさいだはずだった。その後、あまり子猫の声は聞こえなくなっていた。が、昨夜から声が大きくなって聞こえる。今朝はとっても元気な声だった。以前聞いた時より確実に成長しているのが、感じられる声だった。
お昼前からトイレの天井板をずらして、おじいとおやじが二人で天井裏に懐中電灯を当てて声の主を捜してみた。親猫はあっという間に逃げていったので、そこに残されたはずの子猫を捜す。が、声のする方向は分かるのだが、子猫を確認できない。
梁が通っていて体が通り抜けるだけの隙間がない。けれど私を含めそのまま諦める人たちではない。
なにしろ自分が建てた家なので、どこから入るのがいいのかを見極めたおじいは、すぐさま外壁になっているトタンの一部分を外し、ごーりごーりごーりとどこかをのこぎりで切り、天井裏へ入って、子猫4匹を捕獲した。
ノラネコが子供を産んで育てていたのだ。外へ出された子猫たちは早速近所にお披露目された。もうすでに猫を飼っている人たちなので、新しい飼い主は見つからない。
一度は逃げた母猫は子猫を呼んでいる。もらい手のできなかったバケツに入れられた4匹の子猫が母猫を呼んでいる。
とらがいる我が家では新しい猫を飼うつもりはない*1。じつは猫好きのおじいが、一匹飼いたそうにしていたけれど、即座に私が却下。
母猫にどこかへ連れて行ってもらうのが一番だという事で、おじいが近くの草むらの中へ4匹を置いてきた。お昼過ぎまで2匹が連れて行ってもらえずに、にゃーにゃー鳴いていたけれど、夕方前には声も姿も消えた*2。きっと母猫が安全なところへ連れて行ったのだろう。
日が陰ってきてもまだ母猫が連れて行かないようだったら、家の中へ入れてやるつもりでいたけれど、それをしなくて済んだ。
すこしだけ胸が痛むけど、5匹が天井裏住みついてしまっても困るので、我が家としては仕方のない事だったと思う……事にしよう。

*1:とらが絶対出ていかないという確証があるのなら家族にしてもいいとは思うけど

*2:おやじとおじいが確認してきた