ねっむい!

風邪気味の娘の様子が気になって、ついつい京都へ来てしまっている。おおっぴらな理由があると大手を振って京都入りできるので嬉しい。
だがっ、玄関を開けてびっくり!毎度毎度のことながら、二十歳前の女の部屋ではない。いきなりなんか変な臭いするし、結構スペースのある部屋のはずだが、脱ぎ散らかしたものが散乱していて、足の踏み場もない。銭金でよく見ていた貧乏部屋が現実の目の前に已然として現れる。はぁーーどこに私の寝る場所があるというのだ。これからコタツを置こうというのに、それを何処へ置くというのだ。鼻声のすこしえらそうな娘のしりをたたいて部屋を片付け始める。2時間ほどかかってやっと人の住む部屋になった。四条へもうひとつの京都入り理由のお買い物に出かける。こんなこと飲まなきゃやってらんないよ、などど勝手な理由をつけてビールを片手に片づけをしていたので、すでに少し酔っ払い。デパートでお買い物をしてお店のおねいさんのお勧めの先斗町のお店でお食事。何事にもチャレンジャーな私は黒板に書いてあるお勧めの”だちょうのたたき”を注文する。ごろうちゃん(お店のおにいさん)の説明どおりで、臭みもないし、見た目は赤身なんだけど、やわらかいお肉で、からしと薬味のねぎとたまねぎスライスをまいて食べると、ぎゅうっとつまったようなお肉ではないけど、ぱさぱさでもなく、しっとりおいしかった。お店に入る前からほろ酔いの私はそこで飲んで食べて十分満足なので、俄然眠くなる。10時前には部屋にたどり着いたけど、眠くて眠くてもう何もしたくない。
スマステにご出演の木村さんは見えるのだが、もう何を言っているのだろうと、聞く気力もなく、無理やりお風呂に入って眠りにつく。
窓の外が明るくなったり、鳥の声が聞こえたりして、朝になっているんだろうと感じることは出来るけど、身体がぜんぜん起きようとしない。泥のように時間を気にしないで眠るんだ。なんて幸せなんだろう。ただ、娘は私のいびきがうるさくてなかなか寝付けず苦しかったようだ。いや、ごめんね。ほんとに夕べは起きてられなかったの。
今日はお昼に高校時代の友人たちと待ち合わせの娘を部屋から送り出しあと、保存の利くおかずなどを作っておくことにする。のんびりビールを飲みながら台所へ立つって、いつもながら幸せなひと時なのだが、あぁもう家へ帰らないといけない。
あっ、また山南さんのお墓へ行けなかったわ。また次回の楽しみにしておこう。何かをやり残しておいたほうが、京都入りのチャンスも早くくるような気がする。
ということで、やっと友人を呼べるようになった娘の部屋から帰路につくことにしよう。